
お堂に入るとお寺の方がおられ、着座し、前を見ると観音さまが安置されている厨子の扉は閉じられていました。お寺の方が開扉のための般若心経を唱え、その後、扉が開かれました。
現在、国宝に指定されている十一面観音像は七像あり、その中の一像が観音寺に祀られている観音像です。観音寺の観音像は天平十六年に造られ、同じく、天平時代に造られた聖林寺の国宝・十一面観音像と比較されることが多いのだそうです。
観音寺は京都府京田辺市にあり、奈良時代の天平仏があるのは不思議な気もしますが、観音寺のある地域が天平文化の最北端なのだそうです。今は一つのお堂しかありませんが、かっては興福寺の別院だったので、大きなお寺だったそうです。
堂内には大きな般若絵心経が掲げられていました。絵心経は文字が読めない人のために般若心経を絵で表したもので、江戸時代に盛岡市で最初に作られたそうです。絵心経はお寺の授与所で時々見かけることがありますね。
お寺の方の説明が終了すると近くで拝観してもよいとのことなので、移動しました。しかし焼香できるようになっていたので、まずは今回の地震で被災された方々に対してお祈りをしました。
中央の厨子の前に移動して、観音像を拝観しましたが、とても美しい像です。近くで見上げても美しい、少し離れた場所から見ても美しい、どこから見ても美しい観音像でした。七体の国宝・十一面観音像の中でも、美しさに関しては、一二を争うと思います。
国宝の十一面観音像ばかりに目が行きますが、堂内には他にも様々な仏像が安置されていました。左側には不動明王立像、右側には地蔵菩薩坐像、薬師三尊と十二神将像、大日如来像など、どれも良い仏像でした。
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