桑原薬師堂、願成就院、北条寺は昨年の8月に訪れましたので、まとめて書きたいと思います。

・桑原薬師堂

お堂に入ると、昨年訪れた時にお会いした仏像、お寺の方がおられ、懐かしく感じました。前回訪れた時に薬師如来像が特に霊験が高いと聞いていましたので、まずは薬師如来像にお参りをしました。薬師如来像は以前は六十年に一度しか御開帳されない像でしたが、今は秘仏ではなく、お堂が開いている日ならば、いつでも拝観することができます。

桑原薬師堂は祀られている仏像も素晴らしいですが、土地などを含めた全体の雰囲気がとても良いと感じます。前回と今回も大人数での訪問となりましたが、少人数で訪れ、ゆっくり過ごすのが一番適していると思います。

来年の四月には博物館ができ、仏像はそちらに移動します。その前に是非、一度、お堂で仏様にお会いすることをお薦めします。

・願成就院

運慶作の仏像(阿弥陀如来坐像、毘沙門天立像、不動三尊像)は素晴らしいの一言に尽きます。今回は阿弥陀如来像が特に素晴らしく感じました。あのボリューム感は正に運慶の阿弥陀如来像を象徴していますね。

金沢文庫の運慶展で浄楽寺の不動明王像、毘沙門天像を拝観しましたが、今回、願成就院の不動明王像、毘沙門天像を拝観し、不動明王像、毘沙門天像を比べた場合、個人的には、浄楽寺像では不動明王像、願成就院では毘沙門天像のほうがいいなと感じました。

また今回のツアーでは大阪から参加された方がいたのですが、不動三尊像の制多迦童子を見て、「イメージする江戸っ子はこんな顔」と言っていたのが印象に残りました。願成就院の仏像は運慶が東国の武将をイメージして造ったと言われていますが、やはり、そのとおりなのだろうなと思いました。

運慶仏の影に隠れていますが、政子地蔵と呼ばれている地蔵菩薩像も慶派らしい良い仏像です。政子地蔵は湛慶作という説もあるそうです。

また一般には公開していませんが、願成就院の御本尊である阿弥陀如来像は、現状では運慶最晩年の作である大威徳明王像の前年に、初代執権を弔うために造られたものです。ですので、像に銘文はありませんが、慶派のそれなりの仏師が造ったものであろうと考えられるそうです。

・北条寺

阿弥陀如来像と観音遊戯坐像の二体の仏像が祀られています。阿弥陀如来像は定印で、集中している姿を表しているように感じます。一方、観音遊戯坐像は、遊戯という名前のとおり、リラックスした表情を表しています。

これは集中した状態、リラックスした状態、どちらも大切であるということを表しているのだと感じました。

これで今回の駿河路の名刹探訪ツアーは終了しました。静岡県の素敵な仏像にお会いして、日本には素晴らしい仏像がたくさんいらっしゃることを再認識できた、有意義なツアーでした。
カテゴリ
タグ