今回の京の冬の旅めぐりで一番楽しみにしていたのが光雲寺です。運慶作と伝えられる聖観音像や東福院門和子の木像など拝観してみたいと思う像があるからです。

仏殿に入るとストーブがありました。二月の京都はやはり寒いので、有り難いですね。しばらくストーブで体を温めました。

そして着座して、説明を聞きました。光雲寺は南禅寺の境外塔頭でしたが、戦乱により、荒廃しました。しかし、徳川秀忠と江夫妻の娘で後水尾天皇の中宮となった東福院門和子の尽力により、現在の地に移され、東福院門の菩提寺として、再興されました。

中央には御本尊の釈迦如来像が祀られており、脇侍は摩訶迦葉尊者、阿難尊者でした。向かって右には東福院門、左には弘世観音(ぐぜかんのん)像が安置されていました。弘世観音像は船に乗っている珍しい姿で、苦に落ちた人を救う姿を表しているそうです。

弘世観音は聖徳太子作と伝えられているそうで、ガイドブックには「足利尊氏の所蔵であったといわれている」とも書かれていますので、凄い像ですね。

以上の像は少し高い場所に安置されていましたが、近い場所に厨子に入った運慶作と伝えられている聖観音坐像が祀られていました。厨子内の天井には龍が描かれており、徳川家の葵の御紋と天皇家の菊の御紋もあるそうです。

仏殿の左側には十六羅漢像が祀られ、右側には徳川将軍家の位牌が安置されています。しかし、十五代の慶喜の位牌だけありません。これは慶喜が神道式で葬儀されたので、戒名がないからだそうです。

説明が終わった後、それぞれの像を拝観しました。御本尊の釈迦如来像は右手が施無畏印でなく、別の印でした。残念ながら、少し距離があるので何の印かは分かりませんでした。

東福院門の像は人形のように美しい像です。聖観音像が納められている厨子内の天井を覗くと確かに龍が描かれていました。また葵の御紋と菊の御紋も確認しました。

聖観音像が運慶作であることはないと思いますが、キリっとした表情の良い像でした。左手に持った蓮華が完全な未敷蓮華でなく、花びらが何枚か開いていました。

仏殿を拝観した後、東福院門の肖像画などの寺宝、庭園を拝観し、最後に抹茶を頂きました。




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