今回は「観音さま その優しさに包まれて」に書かれているエッセイの中から、著名な宗教評論家であるひろさちやさんの「観音経のメッセージ」を取り上げます。ひろさちやさんは分かり易い言葉で仏教に関して様々な書を執筆していますが、今回も明快に観音経のメッセージとは何かを教えてくれています。

 観音経において、観音様は三十三種に姿を変えて私達に教えを説いてくれると書かれています。三十三身の中、覚えておくべきなのは、
(1) 比丘(びく)
(2) 比丘尼(びくに)
(3) 優婆塞(うばそく)
(4) 優婆夷(うばい)
(5) 童男
(6) 童女
だそうです。出家者(比丘、比丘尼)、在家信者(優婆塞、優婆夷)、子供(童男、童女)なので、出家も在家も、大人も子供も、男も女も、みんなが観音様ということになります。これが観音経のメッセージだそうです。つまり、皆さんの隣りにいる人は観音様であり、隣りの人から見れば、皆さんが観音様ということになります。

 このエッセイを読み、次の二つのことを考えました。一つ目は、相手を観音様と思うということ。人は誰かと関わっていかないと生きていけません。私も毎日色々な人々と出会いますが、当然、嫌なこともあります。そんな時、相手が観音様だと思えば、むやみに腹を立てずに人間関係もうまくいくと思います。また誰かに親切にされた時も今より素直に「ありがとう」と言えるようになると思います。

 二つ目は相手から観音様と思われるということ。その為には、相手から観音様のように思われる行動を日々とるよう心がける必要があります。でも相手から観音様のように思われる行動とはどのようなものでしょうか。その一つの例が、天台宗が行っている一隅を照らす運動だと思います。一隅を照らす人になろうに書かれていることを実践することが、観音様のように思われる行動なのだと思います。
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