月間致知5月号の特集は「利他に生きる」です。総リードより。

「二宮翁夜話」の中で二宮尊徳はこう言っている。

人間の体の組み立てを見なさい。人の手はわが方に向いてわが為に便利にできているが、向こうに向けて押してやることもできるようになっている。鳥獣の手はこれに反し自分の方へ掻くことしかできないようにできている。

だから、人たる者は他のために推し譲るという道があるのだ。それを自分のために取ることばかりに努力して、他のために譲ることを忘れてしまった者は、人にして人にあらず、禽獣と同じである。恥ずかしいことではないか。ただ恥ずかしいだけではなくて、天理に反することであるから、ついには滅亡するだろう。

五歳の時に酒匂川が氾濫、所有の田畑を流され、貧困のどん底から一家を再興したのみならず、六百余の貧しい村を立て直した人の言葉は、利他に生きることの大事を説いて明快そのものである。
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