2階に上がると、日向薬師の本尊である、薬師三尊像が展示されていました。本尊は、正月三ヶ日、初薬師1月8日、4月15日のみの御開帳ですので、本展示は貴重な機会です。
薬師三尊の特徴は鉈彫です。ボランティアガイドの方によると、鉈彫の仏像は現在46例あり、日向薬師の像はその中で最古の像であると考えられているそうです。ちなみに薬師像は7体あるそうです。
鉈彫の像は以前は作成途中の像だと考えられていましたが、鉈彫の像には墨でヒゲが描かれており、それは完成した像にしか描かれないので、現在は理由があってこのようにしていると考えられているそうです。
三尊を間近で拝観すると、鉈彫に目がいきます。特に日光、月光菩薩の両脇侍の鉈彫は凄いです。解説には「動きや霊威、霊験を表現するために意識的に用いられたと考えられる」とありました。私も像を拝観しながら色々と考えましたが、色々な考えが浮かぶことが鉈彫像の魅力なのだなと思いました。
十二神将像も展示されていました。以前はそれほど古いものとは考えられていなかったそうですが、現在は平安時代作と考えられているそうです。
十二体の中、二体は江戸時代に修復して、頭部のみ平安時代作とのことです。どれがその像かすぐには分かりませんでしたが、言われれば、確かにそうだなと思います。これから行かれる方は是非、探してください。
現在、日向薬師の本堂(薬師堂)は、平成の大修理中ですが、完成際には訪れたいですね。
