2013年01月の記事一覧

元霊場巡り旅ブログのブログです。

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  • 2013/01/27美術館、博物館

    昨日、特別展「飛騨の円空―千光寺とその周辺の足跡―」を鑑賞した後、東京国立博物館東洋館室長である浅見龍介さんによる記念講演「円空と日本の風土」を聴講しました。内容は(a) 円空の造形の独自性(b) 日本人と円空仏(c) 円空の生きた時代の日本から構成されていました。以下、印象に残ったことを書きます。まず最初に「今回の展示が冬に開催されたのは千光寺が雪で訪れることができなくなるからで、春になったら、千光寺で土地を...

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  • 2013/01/26美術館、博物館

    本日、東京国立博物館で1月12日から4月7日まで開催されている特別展「飛騨の円空―千光寺とその周辺の足跡―」に行ってきました。両面宿儺坐像を始めとした素晴らしい円空仏が多数展示されており、円空仏の素晴らしさを満喫できた展示でした。以下、印象に残った像を紹介します。(11)護法神立像【千光寺】 入り口のすぐ近くに展示されており、2メートルほどの大きな像です。案内には、村の守り神だっただろうと書かれていましたが...

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  • 2013/01/14致知

    月刊致知2月号の「古典に学んだ我が人生」より。インフォメーションはお客様など相手にお金を払ってでも受け入れてもらいたい情報であり、インテリジェンスとは自分の能力や時間、お金を使って取りに行く性質の情報です。例えば、テレビを漠然と三時間見る。これはインフォメーションです。ところが、目的を持って読書をするのは明らかなインテリジェンスです。インテリジェンスによって教養を修めた人が修己治人(己を修めて人を...

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講演会「円空と日本の風土」

昨日、特別展「飛騨の円空―千光寺とその周辺の足跡―」を鑑賞した後、東京国立博物館東洋館室長である浅見龍介さんによる記念講演「円空と日本の風土」を聴講しました。

内容は
(a) 円空の造形の独自性
(b) 日本人と円空仏
(c) 円空の生きた時代の日本
から構成されていました。

以下、印象に残ったことを書きます。

まず最初に「今回の展示が冬に開催されたのは千光寺が雪で訪れることができなくなるからで、春になったら、千光寺で土地を感じながら円空仏を見て欲しい」と話され、博物館で拝観するのも良いですが、お寺でもお会いしたいなと改めて思いました。

(a) 円空の造形の独自性
・円空は木にしか彫っていない。ほとんどの像を一材から造っている。漆や色を塗ったりはしていない。
・(5)三十三観音立像は神像のように手を隠し、足を彫っていない。
・(11)護法神像のように両脇にヒレのようなものがある。これは飛鳥時代の仏像に見られるもので、法隆寺で飛鳥仏を見たのだろう。
・ノミ跡を残す(若い頃の仏像にはない)。
・決まりにとらわれない。

(b) 日本人と円空仏
・微笑、優しいお顔
・素朴に円空の特長を見つけている人が多い。円空仏程度なら自分でも作れると思っている人がいる。しかし、両面宿儺坐像を見れば分かるように、円空は仏師としても素晴らしい腕を持っていた。
・日本人は素材の質感が感じられるものが好き。磁器を例に出し、大陸で好まれたものと日本で好まれたものを紹介してくれました。円空仏は木の質感が感じられる。
・(33)千手観音菩薩立像は左足のところに僧形像が彫られているが、右足の部分に別の一体彫る予定だったと思う。しかし、木の節があるので、木が彫るのを止めろと言っているように感じ、止めたと感じる。円空は木の意思、木にこもった仏の意思を尊重した。
・木に仏が宿っている。木を大切にしたい。木に余計なことをしたくないという気持ちがあったと感じる。
→ (33)千手観音菩薩立像は前の記事でも書きましたが、足下に僧形像が彫られているのが不思議で、どうしてだろうと考えたくなる像です。浅見さんの解釈はとても興味深かったです。
・一般に仏像は像として見え、後から木を感じる。しかし、円空仏は像と木を同時に感じる。
→ 木とは仏と言い換えることができると思いました。仏像を拝観した時、まずは物として見え、しばらく対面していると仏として感じられることが多いですが、円空仏の場合はすぐに仏を感じられるのだと思います。

(c) 円空の生きた時代の日本
・城、寺社を造るために大規模な伐採があった。支配階級だけでなく、庶民も水田の肥料にするために柴刈りをしており、円空の生きた時代は木は貴重だった。
→ 円空の生きた時代は木が仏像造りに利用できる木がたくさんあったと思っていたので、驚きました。

最後に「今回の展示では解説が少ないという苦情がいつもより少ない。(仏像を)感性で見ているからではないか」と話されました。

講演会を聞いた後、展示会場に戻り、円空仏を再度拝観したくなりました。
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特別展「飛騨の円空」に行ってきました

本日、東京国立博物館で1月12日から4月7日まで開催されている特別展「飛騨の円空―千光寺とその周辺の足跡―」に行ってきました。

両面宿儺坐像を始めとした素晴らしい円空仏が多数展示されており、円空仏の素晴らしさを満喫できた展示でした。
以下、印象に残った像を紹介します。

(11)護法神立像【千光寺】
 入り口のすぐ近くに展示されており、2メートルほどの大きな像です。案内には、村の守り神だっただろうと書かれていましたが、今回の展示でも守り神になっているような気がしました。

(1)両面宿儺坐像【千光寺】
 今回の目玉の展示です。両面宿儺の像は初めて拝観しましたが、斧を持ってどっしり座るその姿はとてもたくましく感じました。

(2)金剛力士立像【千光寺】
 立ち木に彫られた仁王像で、226センチあり、その姿に驚きました。360度拝観できるようになっており、円空が上手に木を用いているのが分かりました。

(39)十一面観音菩薩立像【桂峯寺】
 とても優しいお顔をした観音様でした。円空仏と言っても、素朴な像、両面宿儺坐像のように仏師としてもすごい腕を持っていたことが分かる像など様々ですが、私はこの十一面観音像のような、思わずこちらもニッコリしてしまう像が好きです。

(36)薬師如来立像【板殿薬師堂】
 ニッコリした良いお顔をしており、こちらの薬師さんを見れば、病なんてすぐに治るのではないかと思いました。

(26)如意輪観音菩薩坐像【東山白山神社】
 唇がハッキリと彫られており、また頬に当てた手が少し前に出ているので、観音様がこっそり何かを言おうとしているようなお姿に見えました。

(4)歓喜天立像【千光寺】
 本来は七年に一度しか御開帳されない秘仏で、かつ御開帳時も厨子から出されることはありませんが、今回の展示では、厨子から出た御姿で、360度から拝観できました。よって、抱き合っている姿がよく分かりました。

(33)千手観音菩薩立像【清峰寺】
 円空仏で千手観音は三体のみだそうで、そのうちの一体です。
左足の部分に僧形像が彫られている不思議な像です。その理由を想像すると、観音様の下半身の部分が岩山のように見えるので、山に登っている僧、つまり、仏に近づこうとしている修行僧を彫っているのかなと思いました。

(34)聖観音立像【清峰寺】
 言葉では表現しづらいですが、良い感じを受けました。感性で感じるのが円空仏ですね。

もちろん、上記以外の円空仏も素晴らしく、今度はお寺でお会いしたいと思いました。


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インフォメーションとインテリジェンス

月刊致知2月号の「古典に学んだ我が人生」より。

インフォメーションはお客様など相手にお金を払ってでも受け入れてもらいたい情報であり、インテリジェンスとは自分の能力や時間、お金を使って取りに行く性質の情報です。

例えば、テレビを漠然と三時間見る。これはインフォメーションです。ところが、目的を持って読書をするのは明らかなインテリジェンスです。
インテリジェンスによって教養を修めた人が修己治人(己を修めて人を治める)を実践している人と言ってよいと思います。

自分を修めようと思ったら、労力や知恵、お金を使い、汗をかきながら情報を取りに行かなければいけません。
人から押し売りされたもので自分が教養人になったと思うなんてとんでもない。だいたい教養は辛酸なくして身につくものではないんです。
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