まずは10月6日です。東京駅から東北新幹線に乗り、一ノ関駅で下車しました。そこで同行の方と合流し、目指すは中尊寺です。
中尊寺では、世界遺産登録記念、東日本復興祈願として、7月17日から11月11日まで秘仏である一字金輪仏頂尊をご開帳しており、今回の岩手お寺めぐりで一番お会いしたい仏様です。
三連休ということで、混雑しており、第二駐車場に車を止め、そこから少し歩くと中尊寺に到着しました。中尊寺に訪れるのは久しぶりです。月見坂を上りながら、以前訪れた時のことを色々と思い出しました。
まずは本堂でご本尊の阿弥陀如来様にお参り。そして、中尊寺の納経帳を購入して、御朱印を頂きました。以前訪れた時、中尊寺の納経帳がいいなと思い、次回訪れた時に購入しようと思っていたのです。
中尊寺には金色堂など見所がたくさんありますが、早く一字金輪仏頂尊にお会いしたいということで、御開帳している讃衡蔵特別収蔵室に行きました。

自動券売機があり、拝観料800円を払いました。そして、順番に案内されるということで、しばらく待った後、中に案内されました。
中ではまず一字金輪仏頂尊を紹介するビデオを見て、その後、仏像が展示されている部屋に案内されました。
中は靴を脱いで上がるようになっており、少し高い場所に一字金輪仏頂尊が祀られていました。前に着座して、そのお姿を拝観すると、予想通り、とても素晴らしいものでした。像は左右からも拝観できるので、後で様々な角度から拝観しましたが、正面に着座して見上げた姿が一番良かったです。お顔は優しく、神秘的でもありました。
中にはお寺の方がおられ、ビデオで触れていなかった話をしてくれました。一字金輪仏頂尊を見てまず感じるのは頭部と体部の色が違うことですが、これは江戸時代に修理した時、体部の色を塗り直したからだそうです。
ですので、少し変色はありますが、お顔の色が本来の色とのことです。
またビデオを見た時、蓮華座の下に獅子がいて驚いたのですが、台座は昭和に入って新調されたものとのことです。
移動して横から拝観しましたが、聞いていた通り、前半分しかありません。一字金輪仏頂尊は画では何体かありますが、仏像ではここだけだろうということなので、前半分しかないそのお姿を含め、とても不思議な仏像です。
寺伝では藤原秀衡の念持仏と伝えられています。前九年の役、後三年の役で戦いが続いた東北地方。源平による戦いが続く中、秀衡は自分の支配する東北地方の平和を一字金輪仏頂尊に祈ったのだろうと感じました。
そのような仏様に今お願いすることは一つしかありません。東北地方の一日でも早い復興を一字金輪仏頂尊に祈りました。
文章では伝えられないことも多いですが、一字金輪仏頂尊の御開帳は素晴らしいものでした。御開帳は不定期ですので、御開帳終了日の11月11日までに多くの人に中尊寺に訪れて、一字金輪仏頂尊にお会いして欲しいと思います。