六道珍皇寺には特別寺宝展や六道まいりの時期に訪れたことはなく、六道珍皇寺に対する私の印象は「有名だけど、人があまりいないお寺」でした。しかし、今回の訪問で印象がガラッと変わり、この日に訪れた中では、一番印象に残りました。

受付で拝観料500円を払い、本堂に上がり、お寺の方の説明を受けました。御本尊は薬師如来像とのことで、今回初めて知りました。現在の御本尊は二代目ということで、初代は重文に指定されたので、耐震や湿度調節のある薬師堂に安置されているそうです。

堂内の欄間には小さなお地蔵さんがたくさんいらっしゃいました。これは地蔵来迎を表しているそうです。

堂内には複数の画が掲げられていましたが、「熊野観心十界図」が一番良かったです。画には天上界、人間界、地獄界が描かれています。

三途の川の渡り方には次の三通りあるそうです。

(1) 橋を渡る
(2) 浅瀬を渡る
(3) 激流を泳いで渡る

当然、悪いことをした人は3番目で、良いことをした人は1番目となります。

奪衣婆は三途の川のほとりにおり、亡者の衣服を剥ぎ取り、罪の大きさによって、服の重さが変わるのはよく知られています。激流を泳いで渡った者は服が濡れていて重い、一方、橋を渡った者は服は濡れていないので軽い。ということで、服の重さにより、罪の大きさが分かるのだそうです。

他には現代に描かれた六道遊行図も良かったです。現代に描かれたのはイマイチということが多いですが、こちらは色も鮮やかで、素敵なものでした。

堂内の拝観は終わり、次は今回の特別寺宝展の目玉である「黄泉返りの井戸」を拝観しました。従来は閻魔大王のところに向かう「冥土通いの井戸」しか分かっていませんでしたが、最近の調査により、この世に戻ってくる「黄泉返りの井戸」も発見されました。本当にこの井戸で閻魔大王のところに行ったり来たりしたのかは分かりませんが、歴史のロマンですね。

井戸の近くには、小野愛宕(おたぎ)権現と呼ばれ地蔵菩薩、篁の母が信仰していた(?)ダキニ天を祀るお堂がありました。


本堂です

本堂から出る場所に授与所があり、金泥で書かれた素敵な御朱印がありました。御朱印好きな方がお寺の方と話しており、どうやら、貴重な御朱印のようです。一枚500円と少々高かったですが、5枚セット(薬師如来、日光菩薩、月光菩薩、閻魔大王、小野篁)と地蔵菩薩の御朱印を購入しました。


購入した御朱印です。宿泊したホテルの部屋で撮りました。

お堂を出た後、迎え鐘を撞きました。こちらの鐘は紐を引っ張ることにより、鐘を撞くのが珍しいです。

そして、閻魔堂を拝観。左側に閻魔大王像、右側に小野篁像、悪童子(獄卒鬼王立像)、善童子が祀られていました。井戸を拝観している時、案内の方から、小野篁像は衣がふわっと舞い上がっており、これは篁が井戸を降りているところを表していると聞きましたが、確かに衣が舞い上がっていました。悪童子、善童子を脇侍とする小野篁像は格好良かったです。

最後は薬師堂。先ほどの小野篁像も格好良かったですが、こちらの像はもっと格好良く感じました。私は如来像よりも明王、天部像のほうが好きですが、こちらの薬師如来像はとても素晴らしいものでした。こちらの薬師如来像にお会いする目的だけでも六道珍皇寺に訪れる価値はあります。

機会があれば、六道まいりの時期にも訪れたいと思います。


案内板です
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