2012/03/31

上原仏教美術館:相模と伊豆の古社寺紀行

上原仏教美術館に以前訪れた方から、

・田島さんという学芸員さんとの話が楽しかった

と聞いており、また、

・当日既に訪れた涅槃堂で田島さんが仏像の調査をしたという話を聞いた
・南禅寺で田島さんが書かれた「南禅寺の仏像」という案内を頂いた

ので、上原仏教美術館では田島さんにお会いしたいなと思っていましたが、到着すると田島さんがおられ、案内をしてくれました。

上原仏教美術館は大正製薬株式会社の名誉会長であった上原正吉さんらが1983年に設立した仏教美術専門の美術館です。

展示は現代の仏像が中心です。現代の仏像の特徴の一つは全てを一木で造ることだそうです。一木造りと呼ばれる仏像は昔からありますが、腕などは別の材で造られていることも多いです。しかし、現在の仏像は腕などを含め、全てを一木で造り、これは現代の信仰といえるそうです。大きな大黒天像が展示してありましたが、一木造りだそうです。

展示の中で、重要文化財に指定されている、平安時代の十一面観音立像がありました。昔はノコギリがなかったので、真っ直ぐスパっと割れる針葉樹が使われることが多いそうですが、こちらの像は広葉樹のサクラの木が使われているそうです。

鎌倉時代の阿弥陀如来立像も展示されており、鎌倉時代に多く造られた三尺像です。こちらの像は頭と胴体が繋ぎ合わされています。これは頭部は細かい部分が多いため、体につながったままでは彫りにくいので、製作段階では頭部を外し、手の中で回しながら彫ったからだそうです。

また、足の裏に穴があり、台座に棒があって、そこにはめて、像と台座を一体にするそうです。しかし、一般的には、像に棒があって、台座に穴があるそうです。この像が逆なのは、足の裏に輪形の相を入れたかったためだそうです。

仏像以外では中尊寺経もあり、秀吉が中尊寺から持ち出し、高野山が所有していたものが流失したものだそうです。金と銀で交互に書かれており、とても美しいものでした。特に銀は腐食しないよう、色々な作業をしたそうです。

説明が終わった後、館内の仏像を鑑賞しましたが、有名な仏像からインスピレーションを得て、造られたと思われるものが多く、それらを見ていくのは楽しかったです。

その後、昼食をとりました。本ツアーは仏像拝観ツアーですが、地元の名産を選んでくれているので、参加者の皆さん、食事もとても楽しみにしています。



昼食の場所の近くに菜の花畑があり、とても綺麗でした。また、訪れた時は河津桜が見頃だったのに近くで見る機会がありませんでしたが、昼食の時間だけ、見る時間がありました。河津桜は想像よりも美しいもので、また満開の時期に来たいなと思いました。




2012/03/30

「バカ」がつかなきゃダメ

月刊致知4月号に掲載されている、坂井宏行さんと道場六三郎さんの対談「人生の要諦は心術にあり」より。

(坂井)伸びる人とそうでない人の差はなんだと思われますか。

(道場)やっぱり「バカ」がつかなきゃダメだと思うんですよ。料理バカとか、野球バカ、将棋バカ、バカ正直とか。とにかくバカがつくぐらいに料理が好きな人間でないとその先へは行くことができない。

ゴルフでも、いくらいいショットを打っても、最後のパットを入れられない選手がいる。それを入れるためには、陰で物凄い修練や心の強さなど、様々な要素が作用しているんですが、そのすべてが最後のワンパットにかかっているんです。

これが決められるか決められないかで、一流、二流が決まってしまうんですね。そのためには急所や勘所を自分でガチッと持ってやらないといけない。不安があるうちはダメです。

(坂井)同感ですね。それに一つ加えさせていただくと、自分がコックコートを着た姿に惚れる奴と惚れない奴。自分の姿を鏡に映した時に、おぉ、かっこいいじゃんと惚れることができる。自分が料理人生を生涯背負っていくぞという強い気持ちを持った人は、やっぱりその軸がぶれない。だから惚れたら軸はぶらすなと。この軸がふれると二流になってしまうんです。
2012/03/29

南禅寺:相模と伊豆の古社寺紀行

南禅寺は今回のツアーで最も楽しみにしていたお寺です。伊豆の仏像を紹介している本で南禅寺仏像群のことを知り、平安時代初期の仏像が多数安置されている南禅寺を訪れてみたいと思っていたのです。

お寺に到着した時の第一印象は想像よりお堂が小さいです。たくさんの仏像が祀られているので、大きなお堂を想像していました。

この辺りに奈良時代に創建された那蘭陀寺(ならんだじ)という大寺院がありました。しかし、1432年に山崩れにより一夜のうちに埋没してしまい、地元の方が埋没した仏像を長い時間をかけて数体ずつ掘り起こしたと言われています。現在のお堂は江戸時代に建立されたものです。

お堂に入ると、皆さん「わっ」と声を上げました。もちろん、それは堂内にたくさんの仏像が安置されていたからです。

お堂の中央には薬師如来坐像が祀られていました。像高117.7センチ、榧の一木造りで、京都にあってもおかしくない、とても素晴らしい仏像です。

薬師如来坐像の脇には、像高190センチほどの観音菩薩立像と地蔵菩薩立像が祀られていました。どちらも個性的な像です。



地蔵菩薩はおでこが広いのが特徴で、観音菩薩は江戸時代に表面全てを彫り直したそうですが、悪くはないと感じました。





お堂の左右には、「地元の方が埋没した仏像を長い時間をかけて数体ずつ掘り起こした」という話が事実であると示すかのような破損仏が祀られていました。



お堂の入口の左右には二天像が祀られていました。こちらの像は目が合うように下から見上げた時の姿が格好良かったです。



おびんずるさんもとてもユニークです。最初、吉田さんがおびんずるさんを撫ででいた時、手がとれたので、周りにいた人は「壊した?」と思いましたが、手首から先が取れるようになっており、それで自分の体の直して欲しい箇所を撫でるのだそうです。



前回の善光庵の記事で、「このような仏像を拝観すると伊豆って不思議なところだなと思います」と書きましたが、それを最も実感するのがこの南禅寺です。「素晴らしい仏像がある」=「文化が高い」ですので、平安時代の伊豆はどのようなところだったんでしょう。これからもお寺めぐりを通して、その土地の素晴らしさを感じたいと思います。

南禅寺の仏像は数年後(再来年?)に博物館に移動になるそうです。

ラーマ

神奈川県横浜市に在住です。
寺社巡りは楽しいものであり、巡っていると色々なことに気づくということを紹介していきたいと思います。