仏様はどこにいらっしゃる

土曜日は東京国立博物館の「平山郁夫と文化財保護」展、日曜日は金沢文庫の「運慶」展に行きましたが、どちらの会場でも同じ光景を目にしました。それは展示されている仏像に手を合わせる人です。

三月号の大法輪は「仏像の誤解を解く」という特集で、そこに次のような文章が掲載されていました。

 仏像は精神を集中し、心を浄めるための「道具」です。丁寧に扱わなければならないのはもちろんですが、仏像にあまりとらわれすぎてもいけません。

 お寺の御本尊様のような「崇拝対象の仏像」には、しっかりと手を合わせて下さい。反対に博物館などに並んだ「美術品や資料の仏像」には礼拝する必要はありません。この区別が大事です。

 たまに展示ケースの前で合掌している人がいます。この人は仏具店や骨董市で売っている「商品の仏像」にも手を合わせているのではないかと、余計な心配をしてしまいます。とは言うものの、お寺の宝物館の場合は、私も悩むことがあります。その際は、仏像の前に香炉があるかどうかで合掌の判断をしています。

お寺で祀られてる仏像には魂を入れる開眼供養がされており、それらの仏像が博物館などに展示される際には魂抜きが行われるので、確かに上記の文章の言うとおりかもしれません。

しかし、そんな単純なものなのでしょうか。魂抜きがされている仏像に対面した時、ありがたいなと思い、手を合わせる。その行為は無駄なことなのでしょうか。私はその祈る気持ちは確実に仏様に届くと思います。

また、仏像に魂を入れる開眼供養をしても、誰もその仏像に手を合わせなければ、その仏像からは仏様はいなくなるのではないでしょうか。反対に開眼供養されていない仏像でも、多くの人か手を合わしているならば、そこに仏様は現れるのでないでしょうか。

どんな場所でも祈るところに現れ、我々を助け励まし、良い方向に導いてくれる。それが仏様です。博物館などで仏像に対面した時、手を合わせたくなったら、手を合わせればいいと思います。

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特別展「仏教伝来の道 平山郁夫と文化財保護」

東京国立博物館で開催されている特別展「仏教伝来の道 平山郁夫と文化財保護」に行きましたので、その時の話を書きたいと思います。

まず最初に驚いたのはたくさんの人が特別展を観賞に来られていたことです。予想よりもはるかに多く、平山郁夫氏は人気があるのだと思いました。

第一部は「文化財の保護と継承 仏教伝来の道」で六章に分かれていました。
第一章は「マトゥラー・ガンダーラ」です。マトゥラー、ガンダーラは仏像が初めて造られた場所とされています。

天堂苑樹という平山郁夫氏の絵がありました。釈迦が下生する前、天上世界で菩薩や神々に最後の説法をしたという経典の一部を思い起こさせると紹介されており、とても幻想的で、印象に残りました。

仏伝図「初転法輪」の説明に
 釈迦牟尼仏陀は、金剛杵を手にした道案内・護衛の従者たる執金剛神を従え、この地にやって来て、かって一緒に苦行を行った五人の仲間に対して、これから説法を試みるのである。
とあり、執金剛神が初転法輪の話に登場するのは知りませんでしたので、驚きました。

仏陀立像はガンダーラ仏で、顔の目鼻立ちがハッキリしているのが特徴ですが、衣がとても厚いのも特徴的だと感じました。

仏陀坐像もガンダーラ仏ですが、左手は衣を握っています。これ以降も左手は衣を握っている像が何体かあったので、衣を握るのはどういう意味があるのだろうと思いました。

第二章は「バーミヤン」です。
最初に破壊される前のバーミアン大石仏と破壊された後のバーミアン大石仏の絵がありました。多くの人が足を止めて見入っていました。

執金剛神またはヘラクレス頭部は、正にヘラクレスのよう人物像で、このような像が執金剛神として造られていたのは驚きました。

焔肩仏坐像は名前のとおり両肩から焔を立ち上げています。日本にはない像なので、興味深く鑑賞しました。

第三章「西域」、第四章「敦煌」を鑑賞し、第五章は「西安・洛陽・大同」です。
仏頭はアルカイックスマイルで、見ているとこちらもニコッとしてしまう像でした。三つある最後の仏頭は特に日本の飛鳥時代のものとよく似ていました。

第六章は「アンコールワット」です。
観音菩薩立像は上半身が裸で、印象に残るものでした。

ナーガ上の仏陀坐像は、長雨の中で瞑想にふける仏陀を守るため、ナーガが地中から出現して自らの身体を傘として仏陀に差しかけたという仏伝を造形化したそうで、異国情緒を感じさせるものでした。

第二部は「大唐西域壁画」です。この壁画は薬師寺の玄奘三蔵院に安置されている全七場面からなる壁画です。

七場面の中で一番好きな絵は人によって異なるでしょうが、私は西方浄土須弥山が一番良かったです。描かれているエベレスト山脈は正に須弥山のようで、長い間、遠くから眺めていました。

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平成二十三年春 薬師寺東京別院 宝物特別公開

薬師寺東京別院春の宝物特別公開が2月26日から3月6日まで開催されますので、本日、早速訪れました。

実は薬師寺東京別院に訪れるのは今回が初めてです。秋の宝物特別公開に何度か訪れようと思ったことがあるのですが、機会を逃し、今回が初訪問となりました。

JR五反田駅で下車し、東口から歩いて行きましたが、問題なく到着しました。道は分かり易かったですし、今日が特別公開の初日だったためか同じように薬師寺東京別院に向かう人が何人かいました。

外観はお寺らしくないと聞いていましたが、確かにお寺らしくありません。でも、都心にあるお寺は仕方ないですね。それに外観よりも中身が大切です。

一階にある受付で拝観料五百円を払い、二階に移動しました。中央に御本尊の薬師如来坐像、向かって右に千手観音立像、左に吉祥天立像が祀られており、部屋の右側に聖観音立像、千手観音立像、大般若波羅蜜多経が安置されていました。それらを拝観していると、お寺の方の説明が始まるということで、用意されている椅子に着座しました。

まずは全員で薬師如来のご真言「オンコロコロセンダリマトウギソワカ」を唱えました。こういうのは良いですね。博物館などでの展示ではなく、お寺での展示ですので、信仰という面も忘れてはいけません。

本尊の薬師如来像は奈良県にある本山の薬師寺の薬師如来像をモデルにして造られたとも言われている鎌倉時代の作です。光背は後補ですが、像内に胎内仏があり、その胎内仏の光背を模しているそうです。説明の間、薬師如来像を拝観していました、見ていれば見ているほど、その良さが伝わってくる像でした。

本尊の向かって右に安置されている千手観音像は一目見て、体と顔、手の色が異なることに気づきます。これは体しかない像に顔と手を補作したからです。

当然、ここまで補足する必要があるのかという意見があります。また文化財保存ということならば、顔や手がない状態で保存すべきなのかもしれません。

しかし、顔や手がない像は痛々しいという思うだけで、像に対して手を合わせるでしょうか。薬師寺では美術品ではなく信仰としての仏としてどのような形が相応しいかを考え、結果として、三十三間堂の千手観音像や興福寺の千手観音像などをモデルにして、顔や手を新たに補足したのだそうです。私は薬師寺の考えを支持します。

部屋の右側に祀られている聖観音像は新聞等にも掲載された像です。お寺では江戸時代の十一面観音像として祀っていましたが、修理に出した際、元は平安時代の聖観音像であることが分かった像です。

聖観音像は頭が大きく見えるためか、可愛らしい像に感じました。また像には木目が目立ちました。仏師が木目に何か意味を持たせているように感じますが、どうなんでしょうか。

大般若波羅蜜多経は奈良時代のもので、こちらも新聞等で報道されました。お寺に行った時に僧侶が大般若経を空中で1巻ずつパラパラと広げている姿を見たことがあるかもしれません。大般若波羅蜜多経は六百巻にも及ぶので、全て読むと大変な時間がかかるので、パラパラと広げただけで読んだことにしているのです。

これを転読といいますが、なぜ転ばすという字を使っているかというと、かっては大般若波羅蜜多経は巻物だったので、部屋の隅から隅に転がして広げ、それを巻き戻すことによって、読んだことにしていたからだそうです。

上記以外にも色々な話を聞け、薬師寺の説明は為になることを楽しく伝えてくれるなと再認識しました。今日は時間の関係もあり写経が出来ませんでしたが、今度訪れた時は写経をしたいなと思います。


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