広隆寺の霊宝殿に入るとまずは藤原時代の作で国宝の十二神将像の拝観です。そして、月光菩薩像を拝観して、いよいよ、厨子の中に祀られている薬師如来像の拝観です。
今年の春、寅歳に御開帳される武相薬師如来霊場、都筑橘樹薬師霊場、稲毛薬師霊場をめぐりましたが、寅歳に御開帳される理由として、広隆寺に薬師如来像が祀られたのが寅歳の寅月だったからと書かれていましたので、それ以来、今年は広隆寺の薬師如来像にお会いしようと思っていたのでした。
まずはお参りです。今年沢山の薬師如来様にお会いでき、今日、広隆寺の薬師様にお会いできた感謝のお参りです。訪れていた多くの人が手を合わせていましたのが印象に残りました。
「霊験薬師如来特別開扉」と書かれていましたが、その言葉通り、霊験がとてもありそうな像でした。
まず、姿が一般的な如来像ではありません。如来というよりは、天部に近い像でした。
薬師如来像と言えば、手に薬壷を持っていますが、こちらの薬師如来像は薬壷というよりは法隆寺の仏像が持っているような小さな玉を持っているように見え、聖徳太子繋がりなのかなと思いました。
また、脇侍の日光、月光菩薩に比べて、小さいです。脇侍に比べて本尊が小さいのは不自然のような気がします。
このような点が像をより一層、霊験仏であると感じさせていると思いました。
弥勒菩薩半跏像は霊宝殿の一番人気で、今回も多くの人が弥勒菩薩像と向き合っていました。私ももちろん、着座できる場所で向き合いました。
今月に奈良の不空院で不空羂索観音像を拝観したので、不空羂索観音像も興味深く拝観しました。まず、羂索を持っている手が右側の一番下の手で、一般的には不空院の観音像のように左側の一番下の手に持っているので不思議だなと思いました。
次に額に第三の目がないのも不思議でした。そして、上半身が裸で、鹿の皮をまとっていないように見え、古い時代の不空羂索観音像なのだろうと思いました。
霊宝殿には上記以外にも素晴らしい仏像がたくさん安置されており、良い時間を過ごすことができました。また霊宝殿前の紅葉も綺麗でした。来年の11月22日も広隆寺に訪れることができればなと思います。