本日はクラブツーリズムのツアーで九品仏を祀る浄真寺を訪れました。浄真寺の九品仏はガラス戸越しにいつでも拝観できますが、堂内に入っての拝観は個人では難しいです。また団体ツアーですとお寺の方の説明もありますので、
・堂内参拝
・お寺の方からの説明
を楽しみに参加しました。
平日のツアーですが、参加者は40名弱いらっしゃいました。九品仏駅に集合し、まずは総門からお寺の方の説明がありました。総門には「般舟場」と書かれた額が掲げられています。これは舟に乗って、極楽浄土に到着することを表しているそうで、総門前の石段の手すりも舟の艪の形になっているそうです。こういうのは説明がないと絶対に気づきませんね。
総門をくぐり、少し歩くと閻魔堂がありました。これはまず閻魔大王の裁判を受けて、極楽浄土か地獄のどちらに行くかを決める為に総門を入ってすぐの場所に閻魔堂があるそうです。こちらも説明を受けて、「なるほど」と思いました。
閻魔堂の閻魔大王は私には怒っているような顔に見えました。お寺の方によると、怒っているように見える人と笑っているように見える人がいるそうです。胸のところに太陽と月があり、これは明暗、つまり、極楽行きと地獄行きを表しているそうです。堂内右側に奪衣婆も安置されていました。
閻魔大王から極楽行きの判決を受けた(?)ので、引き返さずに境内を更に奥に進むと仁王門がありました。仁王門から先が極楽浄土を表しているそうで、仁王さんは極楽を守っています。仁王門の額には「紫雲楼」と書かれており、これは紫の雲に乗って、阿弥陀如来と二十五菩薩が来迎するからだそうです。仁王門の上には、阿弥陀如来と二十五菩薩像が安置されています。
まずは本堂に入堂しました。こちらには御本尊の釈迦如来像が祀られています。浄真寺は浄土宗のお寺で、一般に浄土宗のお寺の本尊は阿弥陀如来ですが、浄真寺は九品仏があるので、本尊はお釈迦様だそうです。
お釈迦様が祀られているので、本堂はこの世を表すそうです。よって、阿弥陀如来の菩薩時代の姿である法蔵菩薩が48の誓いを考えている五劫思惟阿弥陀如来像も祀られていました。
次はいよいよ九品仏との対面です。九品仏はそれぞれ三体ずつ、上品堂、中品堂、下品堂に祀られています。
浄真寺では、親指に付ける指によって、上生、中生、下生を、手の位置によって、上品、中品、下品を表現しています。
まずは上品堂です。こちらには坐禅をする時のように手をお腹の前で組んだ禅定印の阿弥陀如来像が三体安置されていました。禅定印の阿弥陀如来像は上生のもの、つまり、親指と人差し指を合わせているものを見慣れているので他の像を見ていると何か違和感を感じました。でも像は光背が千仏光背であり、見事な丈六仏でした。
次は中品堂です。こちらには説法印をした阿弥陀如来像が三体安置されていました。説法印をした阿弥陀如来像は禅定印、来迎印のものより珍しく、また丈六の説法印の阿弥陀如来は拝観したことがないと思うので、興味深く拝観しました。
最後は下品堂です。こちらには来迎印をした阿弥陀如来像が三体安置されていました。やはり、上生のものを見慣れているので、他の像は少し違和感を感じました。しかし何故、来迎印が下品なのでしょうか。阿弥陀如来と言えば、来迎のイメージが強いのにそれが上品、中品でなく下品になっているのは少々納得いきません。
浄真寺ではお寺の方の案内のもと、堂内で九品仏を拝観でき、とても満足しました。これからはツアーも上手く利用して、寺社めぐりをしていきたいと思います。