今年は4月27日から5月2日まで公開ということで、最終日の5月2日に訪れました。また午後2時30分より大阪市教育委員会学芸員による解説があるとのことで、訪問する時刻はそれに合わせました。
観覧料(資料代)100円を払って、堂内へ。昨年も思いましたが、100円は本当に安いですね。12体の仏像群の中、弘法大師像、日光、月光菩薩像は墨書から1680年に僧・真空が造らせたことが分かるそうです。一番古いのは地蔵菩薩像で、950年ぐらいで、けやきの一木造りだそうです。毘沙門天像は1000年後半から1100年前半の平安後期作、大日如来像は1100後半作と考えられるそうです。弥勒菩薩像は南北朝時代の作で、大日如来像が定朝様式で衣の彫りが浅いのに比べ、弥勒菩薩像は深いとのことで、後で確認すると確かにその通りでした。薬師如来像、不動明王像、愛染明王像は室町から江戸時代作と考えられるそうです。本尊は江戸前期と考えられるそうですが、なにか手本となるものがあって造られたと考えられているほど、素敵な仏像です。
本堂以外にも境内には前堂と呼ばれる建物があり、そこには現在の生國魂神社、かっての神仏混合の生玉宮寺から移された愛染明王、弁財天像などが祀られています。生玉宮寺が神仏分離令の際、お寺として残ることを選択していたならば、生國魂神社あたりは第二次世界大戦で焼け野原になりましたので、像は現在していなかっただろうとのことです。
また入口近くに鎮宅霊符坐像という変わった像が安置されているのですが、玄武を道教で神格化したものとのことで、「仏像好きでもあまり聞いたことのない仏」と話されていましたが、確かに今まで拝観したことのない像です。
最後に特別に月光菩薩像に書かれている墨書を見せてもらいました。私は仏師の名前などが書かれた墨書は内ぐりした仏像の体内に書かれていると思っていましたが、そのようなパターンともう一つ、立像を立てるために足の裏につける「ほぞ」の部分に書かれることがあるそうです。月光菩薩像は足ほぞ(げたほぞ)に書かれているパターンで、確かに真空と書かれていました。
仏像群の公開は今後ないと御住職がおっしゃっていましたが、何かの機会にまた公開して欲しいです。また仏像ではありませんが、
・三津寺仏画群
会期:5月9日から5月14日 午後1時から午後4時
会場:辰野ひらのまちギャラリー
が開催されるそうですので、お近くの方は是非どうぞ。
