青松院には円覚寺の舎利殿を模した建物があると聞いていましたが、その姿を見た時、禅宗の建物らしいカッコイイものだと感じました。建物を見ながら本堂に向かっていると、もう一つ素晴らしいものが。万治の石仏を思い浮かべるような素敵なお地蔵さんです。


本堂に上がると、先代のご住職が彫った像が何体か祀られていました。専門の仏師が彫った像ではありませんが、良い像です。
お堂の左側に、十一面観音像、毘沙門天像、不動明王像が祀られていました。こちらの観音様は甲斐国三十三観音巡礼における結願の観音様です。とても優しいお顔をされていました。
青松院は武田信玄の六代前の武田信章が開基したお寺で、武田家ゆかりのお寺は、ほとんど不動明王を祀っているそうです。
青松院は禅宗のお寺です。禅宗のお寺といえば、庭園を思い浮かべる人も多いと思いますが、庭園があるのは、ほぼ臨済宗のお寺です。しかしながら、青松院は曹洞宗のお寺ですが、本堂の裏に立派な庭園がありました。

石を利用した見事な庭で、亀島、鶴島、鯉魚石などがよく分かりました。ここで質問ですが、庭園を有するお寺の数が一番多い都道府県はどこだと思いますか。答えはもちろん京都です。次が兵庫県で、その次がなんと山梨県なのだそうです。山梨県が三番目に多いとは、意外な驚きでした。
お寺めぐりの目的として、仏像中心の人、庭園中心の人、建築中心の人、宝篋印塔などのお墓中心の人がいるそうですが、山梨県はどれが中心でも楽しめますね。
本堂を出た後、仏舎利殿の中に入れてもらいました。平成9年に完成したそうで、まだ木の匂いが残っていました。建物は円覚寺の舎利殿を細部まで模したもので、円覚寺のお坊さんが来られたとき、「(円覚寺の舎利殿は)正にこの通りだ」とおっしゃったそうです。
建物の中にはスリランカからもらった舎利(お釈迦様の骨)が祀られており、その為、スリランカライオンの図もありました。
これでこの日の山梨県のお寺めぐりは終了しました。山梨県にもまだまだ知らない素晴らしいお寺があることを実感できた、良いお寺めぐりでした。