美術館、博物館のカテゴリ記事一覧

霊場巡り旅ブログの旧ブログです。2018年5月上旬までの記事があります。

カテゴリ:美術館、博物館

  • 2018/02/19美術館、博物館

    阿部泰郎先生の「東国宗教世界の形成ー運慶仏の地平」という講演では、滝山寺の聖観音像にまつわる話が印象に残りました。源頼朝は石橋山の合戦で、髻の中に念持仏である正観音像を入れていた。その正観音像は、乳母が清水寺で感得した二寸の銀の像であった。滝山寺像は、観音、梵天、帝釈天の三尊形式で、これは二間観音と同じである。しかし、二間観音は宮中に祀られていたので、実際に拝観した人は少なく、観音像は、如意輪観音...

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  • 2018/02/18美術館、博物館

    本日、横浜市立大学で開催されたシンポジウム「運慶と東国の宗教世界」を聴講してきました。本シンポジウムは、現在、金沢文庫で開催中の「運慶」特別展の関連事業で、私のような専門家でない人にも最新の研究成果を分かりやすく伝えるために開催されたものです(といっても、通常、金沢文庫で開催されている講座よりも難しいと思いました)。最初の講演は、山本勉先生の「東国の運慶と京都・奈良」でした。以下、印象に残ったこと...

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  • 2018/02/13美術館、博物館

    静岡浅間神社でお参りした後、静岡市文化財資料館で「幻の大寺 建穂寺」展に行きました。入館料は200円でした。建穂寺(たきょうじ)については、恥ずかしながら全く知りませんでしたが、飛鳥・奈良時代から明治時代の神仏分離令よって廃寺になるまで、駿河を代表する大寺院だったとのこと。展示会では、明治2年に大火でお寺が全焼した際、村人によって避難できた仏像が展示されています。県指定文化財である不動明王像を始め素...

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シンポジウム「運慶と東国の宗教世界」(その2)

阿部泰郎先生の「東国宗教世界の形成ー運慶仏の地平」という講演では、滝山寺の聖観音像にまつわる話が印象に残りました。

源頼朝は石橋山の合戦で、髻の中に念持仏である正観音像を入れていた。その正観音像は、乳母が清水寺で感得した二寸の銀の像であった。

滝山寺像は、観音、梵天、帝釈天の三尊形式で、これは二間観音と同じである。しかし、二間観音は宮中に祀られていたので、実際に拝観した人は少なく、観音像は、如意輪観音、あるいは十一面観音であると言う人もいた。

滝山寺の観音像には、源頼朝の歯、髪が納められており、頼朝自身を表していると言って良い。頼朝自身を表した観音像なので、如意輪観音、十一面観音でなく、頼朝が深く信仰した聖観音である。

また、最後の全体討論で阿部美香先生から、伊豆の走湯権現は三国伝来の由来があり(善光寺如来と一緒に日本に来た)、神道側から頼朝を神格化したものと考えることも可能であるという話がありました。

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源頼朝を仏教側で神格化した滝山寺の聖観音像、神道側から神格化した走湯権現の話はとても興味深かったです。源平から鎌倉初期の時代は歴史的にも好きですので、宗教を含め、この時代の色々なことをもっとも学びたいと思いました。
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シンポジウム「運慶と東国の宗教世界」に行きました

本日、横浜市立大学で開催されたシンポジウム「運慶と東国の宗教世界」を聴講してきました。本シンポジウムは、現在、金沢文庫で開催中の「運慶」特別展の関連事業で、私のような専門家でない人にも最新の研究成果を分かりやすく伝えるために開催されたものです(といっても、通常、金沢文庫で開催されている講座よりも難しいと思いました)。

最初の講演は、山本勉先生の「東国の運慶と京都・奈良」でした。以下、印象に残ったことです(理解不足により、内容に誤りがあるかもしれません)。

・今回の金沢文庫の運慶展の意義は、転法輪鈔と運慶造仏の関係を紹介したことで、1189年に鶴岡八幡宮寺の五重塔、1194年に永福寺に運慶が仏像を造ったと考えられるので、運慶の生涯を再構成できる。

・蓮華王院は1164年に後白河上皇の本願で創建され、中心堂の千手観音像は康助が作成した。つまり、この時点で後白河上皇と奈良仏師に関係があった。蓮華王院の五重塔には、康慶により造られた四体の大日如来像が祀られ、1177年に完成した。運慶が円成寺の大日如来を造ったのは1176年なので、蓮華王院五重塔と円成寺の大日如来は似ていたと考えられる。

円成寺の大日如来像とよく比較されるのは、康慶作の瑞林寺地蔵菩薩像ですが、存在していれば、蓮華王院五重塔の像と比較すべきなんだろうなと思いました。

・吾妻鑑に「八条高倉の土地を堂敷地として南無阿房に与える」という文章がある。南無阿房とは法然であると考えられてきたが、重源と考えることもできる。重源だとすると、造像を康慶に依頼し、運慶も像を造ったと考えられ、現在、六波羅蜜寺に祀られている地蔵菩薩坐像はその時の像だとも推測される。

時間が45分と短く、配布された資料も飛ばした箇所があったので、もっとじっくり話を聞く機会があれば良いなと思いました。
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静岡市文化財資料館「幻の大寺 建穂寺」展

静岡浅間神社でお参りした後、静岡市文化財資料館で「幻の大寺 建穂寺」展に行きました。入館料は200円でした。

建穂寺(たきょうじ)については、恥ずかしながら全く知りませんでしたが、飛鳥・奈良時代から明治時代の神仏分離令よって廃寺になるまで、駿河を代表する大寺院だったとのこと。展示会では、明治2年に大火でお寺が全焼した際、村人によって避難できた仏像が展示されています。

県指定文化財である不動明王像を始め素晴らしい仏像がありましたが、一番印象に残ったのは、クラウドファンディングによって修復された地蔵菩薩半跏像です。展示会でも書かれていましたが、平安時代の南都焼討により、東大寺大仏殿などが焼失した際、再興のため、重源らが全国で勧進しました。それと同じようなことをインターネットを用いて行ったのが、今回のクラウドファンディングによる修復です。

クラウドファンディングのページはこちらですが、地蔵菩薩像は、きれいなお姿に修復されていました。地蔵菩薩像は地蔵盆で祀られる像であり、クラウドファンディングの支援者の名前が書かれた紙が像内に納入されているとのことで、建穂寺観音堂を管理している人々と支援者の両方にメリットが有るものだったんだなと感じました。

今後、クラウドファンディングによる仏像等の修復は増えると思いますが、何故クラウドファンディングをするのかという理由はもちろん、普段の行い(お寺の場合はきちんと宗教活動をしているか)が厳しく問われると思います。


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