京成線押上線四ツ木駅で下車し、駅を出てからとりあえず川に向かって歩きました。丁字路になり、左右のどちらに進めばよいのか迷いましたが地図を見ると玉子家というお店がある方向に進むべきで、玉子家は大きな店ですぐに分かり、そちら方向に十分程歩くと木下川薬師に到着しました。
境内が広い立派なお寺で、結縁塔婆で結縁綱に触れ、本堂(薬師堂)の一階で参拝受付をしていましたので、拝観料500円を払い、中に入りました。
本堂内参拝は10時から30分毎となっており、到着したのは11時を少し過ぎたところでしたので、まずは寺宝展を拝観しました。
仏像としては慈恵大師像、大日如来像、如来形像、千手観音像が安置されていましたが、個人的には並んで展示されていた豊臣秀吉と徳川家康の甲冑画像が印象に残りました。浄光寺は徳川家の祈願所だったので徳川家と結びつきが強いはずなのになぜ秀吉の画があるのだろうと思いました。寺宝展を拝観しながら待っていると「どうぞ、本堂のほうへ移動して下さい」と案内がありましたので、本堂へ移動しました。
まずは般若心経、薬師如来の御真言を唱え、その後、お寺のお方の説明がありました。
平成10年に薬師堂を新しくした時にそれを記念して、薬師如来像を開帳しましたが、その時は上半身だけの開帳だったそうです。それは最澄が薬師像を途中までしか彫り進めていない時に神霊のお告げにより、東国に行く僧侶にその像を渡したので、下半身が未完成だからだそうです。江戸時代に徳川将軍が参拝した時にも御開帳されましたが、その時も上半身だけだったそうです。しかし、今回(平成22年)の御開帳は全体が拝観できるそうです。
左手には金色に輝く薬壷を持っており、これは平成の作だそうで、平成に新しく作られた良く効く薬が入っていると笑いながら話されました。右手は薬指と親指で輪を作っており、そこに結縁綱が結ばれているそうです。
説明が終了しいよいよ間近で拝観です。まずは左壇に祀られている六体の十二神将像を拝観しました。また金剛界曼荼羅もありましたが、こちらは銅板に描かれており、今まで見た曼荼羅の中でも一二の綺麗さでした。
そして、秘仏薬師如来像を拝観。とても穏やかな仏さまらしいお顔をなさっており、素晴らしい像でした。金色の薬壷を確かに持っており、また薬指と親指で輪を作った印相も神々しさを感じました。
右壇には六体の十二神将像と胎蔵界曼荼羅がありました。先程の金剛界と同様に銅板に描かれた曼荼羅で本当に美しいものでした。説明によると曼荼羅は京都・妙法院の曼荼羅を手本にしたそうです。
今回は平日の訪問となりましたが、それでも多くの人が訪れており、少しビックリしました。案内は三十分単位となり、もう少しゆっくりと薬師様を拝観したかったですが、警備とか色々考えるとしょうがないと思います。それでも、お寺の方は質問に丁寧に答えて下さり、良いお参りでした。薬師如来像は本当に素晴らしい像ですので、東京近辺にお住まいの仏像好きの方は訪問されることを強くお薦めします。
