知善院から
神照寺までは3キロです。この道程は随分遠く感じました。歩いて巡る場合の最難関だと思います。駅に置いてあった六瓢箪を巡る道の地図では途中の目印として北中学校、神照小学校しか書かれていないので、途中何度も「この道で合っているのか」と思いました。
やっとのことで、神照寺と書かれた石柱のある場所まで来ました。萩が生い茂る参道を歩いて行くと本堂に到着しました。本堂には「寺宝拝観の方はブザーを押してください」のようなことが書かれていましたので、寺宝拝観の前に境内に祀られているお稲荷さん、お不動さんにお参りをしました。


そしてブザーを押して、寺宝を拝観したい旨を伝え、しばらく待っているとお寺の方が本堂の扉を開けてくれました。拝観料300円を払い、まずは本堂内を拝観です。
大日如来像は色が残っており、お顔が白かったのが印象に残りました。薬師如来像は目がとても綺麗でした。しかし、実を言うと収蔵庫の見返り不動明王像が気になり、本堂の仏像拝観は少しうわの空でした。
本堂を出て、元来た参道を50メートルほど戻ると収蔵庫があります。その前で待っているとお寺の方が来られ、収蔵庫の扉を開けてくれました。
収蔵庫の奥に浅井長政念持仏である見返り不動明王像が祀られていました。不動明王像の両脇には胎蔵界の大日如来像が安置され、長政公の位牌もありました。不動明王像は小谷城が落城する折り、神照寺に運び込まれたそうです。
不動明王像は両目をはっきりと見開き、力強いお顔でした。見返っているので、右足が浮いており、戦国武将が好みそうな像です。
浅井長政は織田信長の妹であるお市の方を妻として迎え、織田家と同盟関係を結びました。しかし、織田家が朝倉家を攻めた時、浅井と朝倉の関係をより重視し、織田家を裏切りました。そのような重要な決定をした時、きっと長政はこの見返り不動明王像に相談したことでしょう。
不動明王像は見返っていることに注目がいきますが、長政の念持仏であったという点もこの像をより魅力的にしています。長政が織田家を裏切らなかったならば、歴史は大きく違っていたと思います。
次は総持寺です。神照寺から総持寺までも約3キロですが、こちらは国道8号線に沿って歩き、アルプラザ(平和堂)で左折すれば着きましたので、知善院から神照寺ほど遠いとは感じませんでした。
総持寺の仁王さんはなかなか立派でした。案内に「見開いた両眼の鋭い視線は拝む人の心底までくい込む」と書かれていましたが、本当にその通りです。


到着した時間が4時40分ぐらいでしたので、本堂でお参りをした後、境内にいらっしゃったお寺の方に朱印はどこで頂けるかを尋ねると庫裏で頂けるとのこと。早速、庫裏に行き、朱印帳に日付印を押して貰いました。
総持寺は予約をしていると文化財の拝観をすることができます。今度訪れる時は予め予約をして、文化財を拝観したいです。これでこの日の六瓢箪めぐりは終了しました。